春笺
詩を探そう、仲春に出会おう。
蔓延る野草に、初の露が降り。
朝霧の中に、新生の燕が飛び。
詩を探そう、上巳に東風(あゆ)が吹き。
洧水(い・すい)の岸で、「天気が長閑」と言い、
互いに芍薬を贈り合い。
詩が古い月灯りに遡ろう、
春めいた川端、潮が起きつ引きつ
青い裳を着る君よ、千年の前
誰の為鮮やかな朱色の笛を寄ったかな。
東門の楡の木陰では、あの香りが舞めぐり。
歳月(とし)を経て、瑠璃灯の光りは何度も見られ
夕暮れ落ちて天の川が輝き、
いくつかの注釈でも、ここの悲しみになり。
詩を探そう、宛丘にてカンカンとして鼓を撃ち。
潔白の鷺よ翼を振るって空をかけ。
春雲を銜えて松泉へ行き。
詩を探そう、露がもみじに湿り。
海石榴(つばき)の歌垣にて歌を掛け合い。
詩が古い月灯りに遡ろう、
君よ今でも我が思いなり。
青い裳を着る君よ、千年の前
誰の為鮮やかな朱色の笛を寄ったかな。
東門の楡の木陰では、あの香りが舞めぐり。
歳月(とし)を経て、瑠璃灯の光りは何度も見られ
夕暮れ落ちて天の川が輝き、
いくつかの注釈でも、ここの悲しみになり。
中国語の原文(簡体字中国語で表示)はかなり難しくてここで詩経の出典とともに表示いたします。なお、原文と日本語訳の無断転載はご遠慮ください:verse1:
为我寻诗篇、邂逅在仲春之月
野有蔓草初生露初结、云霞朝雾与新燕 出典《诗经·郑风·野有蔓草》
为我寻诗篇、东风三月上巳天
相与芍药洧水边、却道今朝风日恬 出典《诗经·郑风·溱洧》
让诗行溯回亘古的月光、映春江潮落又潮涨
世上炜炜彤管青青子佩、千年前所寄为谁 出典《诗经·邶风·静女》《诗经·郑风·子衿》
东门白榆树下、婆娑着哪一瞬芳菲 出典《诗经·陈风·东门之枌》
穿行岁月百转琉璃灯辉、今夜恰星河低垂
多少笺释注解、化作此间欲说还未
verse2:
为我寻诗篇、坎坎击鼓宛丘间 出典《诗经·陈风·宛丘》
曾见鹭羽振振若回雪、衔得春云过松泉
为我寻诗篇、微微凉露缀黄叶
在哪幕山川星野、同唱着歌谣半阙 出典《诗经·郑风·箨兮》
让诗行溯回亘古的月光、你是我往复的思量
世上炜炜彤管青青子佩、千年前所寄为谁
东门白榆树下、婆娑着哪一瞬芳菲
穿行岁月百转琉璃灯辉、今夜恰星河低垂
多少笺释注解、化作此间欲说还未
自分の感想:
「春の潮 蚍蜉(あり)が東海 渡させよ」という自分が書いてきた俳句のように、古風の音楽、または漢服復興運動を支持している人の力はまるで海にいる蟻のような弱いのに、社会人と言わず、愛好家と言わず、力を尽くしてそれを支え合うべきだ、それで蟻まで「春の潮 蚍蜉(あり)が東海 渡させよ」という自分が書いてきた俳句のように、古風の音楽、または漢服復興運動を支持している人の力はまるで海にいる蟻のような弱いのに、社会人と言わず、愛好家と言わず、力を尽くしてそれを支え合うべきだ、それで蟻まで海を渡せるだろう、衰えるところだった古風の文化まで振興できるだろう。私は銀臨のファンでなく、やはり伝統的な粋を守りたいと思っているので、「春笺」などの歌を聞き続けるわけだ。確かにその歌には「詩経」の文はごく巧妙に注がれたとは。