AIがアプリ購読疲れをさらに悪化させようとしている

本記事は、Fastcompanyにより翻訳されたものです。

不透明でコストのかかるアプリのサブスクリプションを扱うのが嫌なあなたに、悪いニュースがあります。その反感はこれからもっと悪くなるかもしれません。そして、それをAIのせいにすることもできます。

アプリのサブスクリプションは、グーグルが2011年に初めてデベロッパーにPlayストアでの提供を許可して以来、アプリ経済の一部となっています。(アップルはその5年後、App Storeでこれに続きました）。

アプリには目的があります。アプリを1回きりの固定価格で販売する代わりに、ユーザーにアプリの使用料を月額または年額で請求することで、開発者は定期的な継続収入を得ることができ、アプリのメンテナンスや新機能の追加にかかるコストを長期にわたって賄うことができます。しかし、アプリのサブスクリプションを嫌うユーザーも多いです。なぜなら、サブスクリプションはソフトウェアを実際に所有することなく、ただレンタルしているに過ぎないからです。また、ソフトウェアのレンタル料は、月単位または年単位で増加する可能性があります。

ユーザーから見れば、定期購読を必要とするアプリが溢れかえっていることが、定期購読疲れを助長しています。ストリーミング・サービス、ソフトウェア、そして食料品の宅配など、消費者は今やあらゆるものにサブスクリプションを取得する必要があります。そして、グーグルやアップルのような大手テック企業が提供する新しいジェネレーティブAI機能は、さらに多くのサブスクリプションプランや価格帯の引き上げを私たちに強いるように設計されているようです。

まずはグーグルです。グーグルは今月5月15日から、グーグル・フォトの全ユーザーにAI画像編集ツールの多くを提供すると発表しました。これらのツールの1つには、グーグルが「Magic Editor」と呼ぶものが含まれます。これはジェネレーティブAIエディターで、とりわけ写真の人物の位置を完全に変更することができます。以前は、Magic EditorはPixel 8とPixel 8 Proの所有者に限定されていましたが、現在はAndroidとiOSのすべてのGoogle Photoユーザーにこのツールが提供されています。

素晴らしいことでしょう？いや、そうでもありません。Pixel 8またはPixel 8 Proを持っていない場合、Googleは毎月保存できる「マジック」編集写真を10枚に制限します。しかし、この制限を回避する方法があります。Google Oneの定額プランに加入すれば、10枚以上のマジック編集写真を保存できるようになるのです。ただし、ただのGoogle Oneプランではなく、それぞれ月額9.99ドルと19.99ドルのプレミアムプランとオールプレミアムプランに加入する必要があります。(最も手頃なGoogle Oneプランは月額1.99ドルですが、これはMagic Editorセーブの対象外である)。

アプリを使うために月額料金を支払う必要がなかった時代を懐かしむなら、アプリに文書を保存するためだけに月額料金を支払う必要がなかった時代をどれほど懐かしく思うことでしょう。

次にアップルですが、アップルはAI計画をまだ明らかにしていませんが、おそらく今年6月の年次開発者会議（Worldwide Developers Conference）で明らかにするでしょう。アップルはAI機能を公には発表していませんが、「写真」、「音楽」、「Safari」アプリを含むアプリ全体にAI機能を追加するとの見方が強いです。

しかし、アップルが近年サブスクリプション・サービスに夢中になっていることを考えると（同社は現在、Apple TV Plus、Apple News Plus、iCloud Plus、Apple Music、Apple Arcade、Apple Fitnessを提供しており、それらをバンドルしたApple Oneプランも提供しています）、多くの人々は、アップルがiOS 18の最も印象的なAI機能のいくつかもサブスクリプションの背後に閉じ込めるのではないかと推測しています。

具体的には？例えば、アップルの最も高額なiCloud Plusプランの契約者だけが、AIが編集した写真を一定枚数以上iCloud Photosライブラリに保存できるようにすることで、グーグルに追随することができます。あるいはアップルは、AIチャットボットを搭載したSiriを2つの階層に分けて提供することもできます。ChatGPTがGTP-3.5チャットボットを無料で提供し、より高度なGPT-4チャットボットへのアクセスには料金を課すのと同じようなものです。

アップルはこれを実際に実行するのでしょうか？同社の重役たちだけが知っています。しかし、アップルが2023年度に「サービス」部門で852億ドルという驚異的な利益を上げたことを考えると、人工知能の魅力を利用して契約マージンをさらに増やすチャンスに同社が飛びつかない理由は見当たりません。

では、一般消費者はどうなるのでしょうか？サブスクリプション料金の増加でしょう。

私にとっては、アプリの購読料は、資金力に限りのある小規模な開発者のアプリに対して、文字通り正当な対価であるように思えます。ほとんどの開発者は、多くの仕事をこなし、多くの愛情をアプリに注いでいます。

しかし、テック業界を席巻しているジェネレーティブAIブームを利用して、最大手で最も裕福なテック・ジャイアントが、ユーザーを高額なサブスクリプション・サービスに押し込もうとしているように見えるのは残念です。特に、これらのテック・ジャイアントは、様々なジェネレーティブAIツールのトレーニングに私たちのデータを利用している可能性が高く、実質的にツールの代金を二重に支払っていることになります。

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